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「三体Ⅱ 黒暗森林」はオールドSFファンにこそオススメだ

「三体Ⅱ 黒暗森林」。まだ、本屋さんでチラ見しただけなのに、もうすでにおもしろい。バカみたいにおもしろい!
Wikipediaで全部あらすじ読んでんのにめちゃくちゃおもしろい「てか、見とんのかい(´・_・`)」

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だってあらすじ全部アタマに入っていても、ディテールが凄すぎるんだもの。ただでさえプロットがおもしろいのにさらにこんなおもしろくなるんかい、ってもはや呆れてしまいます。

前作の疑問も氷解。なんで三体星人たちは、主人公たちの作戦、情報全部つかんでたのに阻止しなかったのか?ってのが私の疑問だったんですが、冒頭で、三体星人たちの致命的な弱点がわかる。彼らは、アタマで考えてることをそのまま相手に伝達する能力があるため「隠し事」とか「計略」という概念が存在しないのだ!

なので最初は地球上の協力者たちにバンバン超科学技術の情報与えていたのが、途中で、「あ、地球人って考えてることを隠す能力があるんだ、じゃあこいつらも裏切る可能性あるってことじゃん」って気づく。まあ、こわくなったんでしょうね。協力者組織の壊滅作戦を、止めなかった。まあ地球人なんて所詮虫けらだ、勝手にやらせとこうと。

ところがその虫けらが三体星人の弱点を知って、計略で三体星人を打倒しよう、という「面壁計画」を立てる。これに三体星人は泡を食うんですね。なにしろ三体星人、計略って何?食べ物?って状態。ちなみにどれぐらいわからないか、という例えも中国らしい。いわく「三国志演義をほとんど理解できない」。

地球人が、どんな角度から見えないパンチを繰り出してくるかわからない。この恐怖からあわてて協力者組織の残党に協力を依頼し、「破壁計画」を立てる。かくして、上巻は面壁 vs 破壁の計略合戦になります。

んで主人公はなぜか、全く身に覚えがないのに面壁計画のエージェントに選ばれます。なんで俺が…と思いつつもエージェントの特権を最大限に生かして人生を謳歌するのですが、色々あって、なんで俺が選ばれたのか…上巻のラスト近くになって、真剣に考えます。それはどうやら冒頭で、前作の最初の主人公・葉文潔にある入れ知恵をされたことが原因らしい。

その意味をとことん考え尽くした挙句、主人公はついに、めっちゃシンプルな計略を思いつきます。上巻の段階ではその意味は特に解説もされないんですが、でも説明された人が思わず爆笑しそうになるくらいシンプルな計略。いやー、アンタよくそれ思いついたねー、てかその計略が本当にうまくいくなら楽勝で勝てるじゃん、っていって笑ってしまうっていう。


正直、その計略を思いついた時点で人類の勝ちは確定なんですよ。オールドでグッドで古き良き大昔のワン・アイデア・SFだったら、これをオチにして話を終わってもいいくらい。でも終わらない。この時点で主人公がやるのはあくまでも「実験」。本当にその計略はうまくいくのか?という実験結果がわかるのに100年かかる。この作品はいちいちタイムスケールが長い。そもそも敵の大艦隊が飛来するの400年後だし。なので主人公は冷凍睡眠で結果を待つことになります。

そっからはいきなり、これまたオールドでグッドで古き良き「ワクワク未来予測SF」になるわけですよ。主人公が目覚めるとすっごい未来世界になってるし地球側の大艦隊は完成しててもうアンタの計略なんかいらんですよ、ってなってるし。もちろんソレ完全に死亡フラグでその大艦隊はあっさり全滅するしで、とにかく話がめまぐるしい。

めまぐるしく話が動いて結局主人公の計略に頼るしかなくなるが三体星人もバカじゃない、妨害工作でその計略を実現不能にしてしまう。人類絶体絶命、さあ主人公はこの状況をどう打ち破る?と最終的にはまた、計略合戦になるわけですよ。

その結末はまあ書かないんですが、私の個人的感想は「こいつ、パタリロみたいなやつだな(´・_・`)」


とにかく、大宇宙艦隊が登場する壮大なスペースオペラでもあるし、ワン・アイデア・SFでもあるし、ワクワク未来予測SFでもあるという、オールドSFファンも退屈しない内容となっております。そして話の軸はあくまでも、壮大なコンゲーム。計略合戦のおもしろさがポイントです。こんなおもしろいSF、あと400年出てこないかもしれませんよ?

読め!

↓キャラも魅力的。

yokokaracc.hatenablog.com

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